雲に溺れる/
櫻花 葵
ぐったりとした曇天が
ハァハァと息を乱して
心に海を繁殖していく
腐った本音は体を捻り
濁った言い訳は舌を切り
焦った嘘は目を泳がせた
動脈に杭を打てば
色鮮やかな不機嫌が吹き出した
静脈に釘を打てば
ささやかな不満が溢れ出した
白波を立てた空に飲まれていく
無色透明の染色体
ちょっと痛いね
ざぶんざぶん
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