詩の日めくり 二〇一五年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
んだ。きのうは恐ろしくハードなスケジュールだったから知らなかった。これから見る。

 ぼく、妊娠したの。えっ。ぼく、妊娠したんだ。さっきまで読んでいた本を見た。本が言ったのか? さっき、テーブルのうえに置いたままだ。変わったところはなかった。ぼく、妊娠したんだよ。またその本から声がした。指の先で、本の真ん中に触れると、かすかに膨れていた。指の腹に鼓動が感じられた。


二〇一五年十二月五日 「ヴェルレーヌ」


 ストレスで身体がボロボロだけど、まえに付き合ってた子が、これから部屋に遊びにくると電話が。うれしいし、顔をみたいので、おいでよと言ったが、左腕が動かせないほど痛いのだった
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