いつだってわずかなものを求めて街を彷徨っている/ホロウ・シカエルボク
どこか金属的なノイズ、揺れる路上のリズムと、スニーカーのゴム底のスクラッチ、腕時計の文字盤をスルーして時は過ぎていく、流れ去るもののすべてのことを俺は知っている―とどまるものに比べても、ずっと―狂った虫のように表情をなくして、くすんだ世界に身を投じる、錆びた鋏のような日々、一色だけの塗絵…飲みつくせない缶の飲料の底には悲鳴が隠れている、それを耳にしないように慌ててゴミ箱を探す、お終いの音は儚い、お終いだと気付くことすらない、だから流れ去っていくことが出来る、宿命とは捨て去った物事への未練を語ることか?いや違う、まだあまりある希望を歌うことか?それも違う、結局は現在を、直近の過去を事細かに解剖し
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