ロザリーはスクラップ工場の外れで/ホロウ・シカエルボク
 
作業場の壁が
風に煽られ
解け
暴れて
破れたティンパニのような演奏を続ける
オーケストラ!
指揮者はタクトを振るうが
空虚しか鳴り響くものがない


見開かれた目は
口は
最期に何を見
どんな言葉を発したのだろう
そうなったわけは知る由もないが
まだどこかに続きが落ちているような
そんなことを考えているように見える


でこぼこのアスファルトの
地面を
濡らしては流れていく雨粒
途中退席の観客みたい
どうして出て行こうとするのですか
この演目は
いつ果てるとなく続くことが出来るのに


あなたが欲しいものは
想像出来る限りの永遠でしょう
[次のページ]
戻る   Point(7)