ロザリーはスクラップ工場の外れで/ホロウ・シカエルボク
 

ロザリーは十五才
廃業したスクラップ工場の敷地の外れで
ハーケンクロイツみたいなかたちになって転がってる
もう腐敗が始まっていて
あらゆるおぞましい虫に集られて喰われている
ささやかな雨が降っている
死の影を
拭うことも出来ないほどに
ささやかな
ささやかな、雨が


捨てられたカンテラが
壁の向こうのシグナルの光を跳ねて
その小さな世界は
赤にも緑にも
見える


血に濡れたのに
雨に濡れたのに
死刑囚のように
無人の舞台で
下りることもなく
カーテンコールもなく
微動だにせず


細い鉄骨に括りつけられた
トタンの
薄っぺらい作業
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