575/なけま、たへるよんう゛くを
 
 午睡覚むるや淡し黄昏

お気遣いも ミルクなくては飲み干せぬ ロマンチストの切れた唇
うんざりだ 草臥れた靴 蜃気楼 馬車馬の骨 馬車馬の骨
片時も 祈り育むシャンゼリゼー 行間の町 あばら家は不寝
すねこすり ゆくゆく向こうに褪せる川 風に梳かれた麦は棚引く
いい夢もよくない夢も目を焼いた みんなみいんなメリーゴーラウン


・57577(お題:本)
符の束を朗らかに読める鍵盤は いつやどこかの人の歌声
休み前 背伸びし借りた10冊も いずれ等しく日めくりの餌
お引っ越しさせてやれずにすまないが 赤青黄色の雑誌さよなら
思い出と笑って泣けるバカ話 作れたやつらのためのアルバム
暗くしてスローペースで囁いて 絵本が枕にならない子ども

村人よ たった一度の出番だから 台本通りじっとしてくれ
休みなくきらきら光る景勝地 十年選手の寄せ書きノート
文字は揺れ行は飛んでも怖くない 本はあなたに開かれている
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