廂間の送り火/あらい
 
底を突く、
あふれぬめり要るだけの親身に由り到る
頑なだった胡桃の殻をなしくずしに弱らせ
忘れ得ぬことの無い 鮮血、潤わせ、欲の果てに誘われる

これは幻であれ現でもある。炎か
「はなしては くれないのか」
ぼそぼそとほつれた意図を結びつきたる、そして放熱

許したのか
繋いだのか
橋の袂にて。それとも 坂道の未知か
あゝ 進むべきか 戻るべきか
こたえをもとめても
こたえはおなじにはならない 見ず知らずの途だろう
わたしたちは対峙している
はじまりの道と最期まで往く
どのみち 暗夜の灯火を辿る。

ただ瞳を閉ざしたその先が、
とうとうあらわされただけだった

抜け未知であるか袋小路、
に詰まったままの竹筒を前に煩わせる
ただ、ただのきな臭いばかり 囚われの夜は更け征く、
いつかの淫雨のしらべを思い出したばかりに
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