アフター・ミッドナイト/ホロウ・シカエルボク
 
判る、そういう感覚は嫌いじゃない、自分が生体なんだって思い出させてくれる、それから、適当にそれぞれの用事を済ませて、それぞれの寝床に入る、街路を歩く酔っ払いのダラダラした話し声も、ひと頃に比べるとだいぶ増えてきた、我慢なんかしてもしょうがない、結果なんて全部運命に従って与えられるものなんだぜ、だから俺はしたい努力しかしない、俺がそう言うとお前は俺のことを馬鹿だと言う、ああ、お前も脳味噌に楽をさせたがってる連中の一味だっていうのかい、どうか俺を落ち込ませないでくれ、歌いながら寝床に入る、お気に入りの小説を読み返しているから、今夜は少し遅くなるかもしれない、明日は休みだしね、多少のんびりしたってまずい
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