エミリー・エミリー/いとう
ないでください
私はまだ恋なんて言葉は
辞書の中でしか知らなかったのですから
エミリー
あなたとは
人生の至るところで出会いました
必然とは言えない偶然の確率
望むと望まざるにかかわらず
壁の花の卒業パーティー
あなたはその年のqueenに選ばれて
一瞬だけ目と目を合わせてくれました
私はcollegeではなくuniversityに進み
裕福な学生として勉学に励み
そして徴兵中に出会ったあなたは
信じられない扱いをしてくれましたね
幾度となく挫折しそうになったけれど
エミリー
この私がきちんと義務を終えることができたのは
少し
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