たそがれメセナ/あらい
 
まうのは癖のようなものですの

こりゃあ魔女が拾ったばかりの種が
この手にしがみついて目に余る芽を出しました
包み込める程度の平に瞬くものはやはり大きく伸びをして
そのあいまいなあいまに開いた眼から読み取られ、照らし出された君らは、

――即座に飲み込まれていくのよ

棚に上げられた臭気瓶に差し込む言の葉は
乾いた音を立て風化して、仕舞われる、
これら空想を羽搏かせる永遠の蛹に或りたいと
(空瓶に差し替えられた)
何度目かわからないほどの欠伸のかけらを掬い取り、
気が遠くなるほど遥かな旅をも
要していたのは、彼だけではなかったようです。

これは暗き闇白き光、幽かな魂たちだけですが
それは儂の手に余るほどの、わがままな太陽でした

向日葵のよう しなだれても活き、熱帯夜にもしとどに揺蕩う、
小さな部屋で育まれた大輪の花火。
溢れては零れ散る、呪いであり祝いに模した魔法でひと括る
ただのひとときだったのかもしれません
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