詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
のであるとは限らないことがわかるであろう。むしろ同じ意味にとられるほうが不思議だ。


二〇一五年九月三日 「言葉」


 すべての言葉がさいしょは一点に集まっていたのだが、言葉のビッグバン現象によって散らばり、互いに遠ざかり出したのだという。やがて、それらのうちいくつかのものが詩となったり、公的文書となったり、日記となったりしたのだというが、いつの日かまた散らばった言葉が一点に集まる日がくるという。


二〇一五年九月四日 「本の種」


 本の種を買ってきた。まだなんの本になるのかはわからない。読んだ本や会話などから言葉を拾ってきて、ぱらぱらと肥料として与えた。あまり言
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