2Χ0/末下りょう
花びらと油虫-
さらさらと指のすき間からなにも零れない
さらさらと指のすき間からなにもかもを零す美少女は
なにかを留める気などさらさらなく
校舎のような屋上から
花びらへと還り
穢れのない花粉を煌めく花園へと撒き散らし
だからこそ
深々と
このうえなく優雅に
そこより底ということのないほどの奥底へと散り果てる種族として
美少女は美少女の摂理を全うし
さらさらと指のすき間から儚きものたちを滞りなく零すことができるのでしょう
ざらざらと指のすき間から 油虫が這いあがってくる
食べられる言の葉などなにもないというのに
う
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