4Χ0 2/末下りょう
-孤独な誤読-
あんたが死んでも世界はなんも変わらん。──
わたしが死んでも世界はなんも変わらんよ。だからあんたが死んだら世界は変わるんよ──
わたしの呼び掛けたあなたトワ 主語から独立した述語はいつまでも訪れることなく
わたしわたしという実体を直感しているにすぎないと錯覚していたにすぎなくても
わたしだけはいつまでも老いないと信じた一瞬が確かにあったよ
それはいやしいやらしい孤独な誤読だったけど
そんな一瞬を生きたのはきっとわたしだけじゃないから
今朝のわたしがいちばん若く今夜のわたしがいちばん老いている
そんな日々に
いまは取り合えず
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