料理で俳句?鮎/SDGs
 
、帰りにガス欠を起こしそうで」。
車はタクシー専用のLPガススタンドにステアリングを切った。

 京都市内からタクシーで一時間はかかる花背は、京都というより福井のほうが近いのではないかと思わせるロケーションで、実際、川の流れも若狭湾のほうへ流れておつたような。

 母屋(食堂)と離れで構成されたこの宿は、食事棟と宿泊棟が分かれており、離れの宿泊棟には三部屋しかない。テレビもラジオもない。朝夕の食事は母屋で摂る。食卓はなく食べ物は、すべて畳の上に置かれる。女将が厨房から一品づつ料理をもって現れ、料理の説明をし、一礼をして下がる。胡坐をかいた目線の先は、山菜と鮎づくしの料理が広がる。


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