コーラのちコーヒー、所によりクリームソーダ/末下りょう
 

観葉植物を真似るクリームソーダが
夕焼けに溶けていく
散々

カフェインに浸れた
町角で
段々
赤い花を咲かせた
砂漠の
あるいは密林の植物がひけらかす
肉厚な葉のように
クリームソーダ色に変色した舌で
食いちぎられた
黄昏から
降りだす夜に  気の抜けた「そうだ」を
窓際のテーブルに溢れさせ
コーラの王冠がそこらじゅうに
ひしゃげてころがる
町角で
たった
二人だった
あらゆる影を
黄金のアロワナのように
いつかの朝へと放流する

真っ赤なチェリーの種と柄と8ミリの吸い殻が
灰皿のなかで
二人の捨て台詞を模倣して


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