生物/
かとり
ここは、森であることを、許されてはいない。
しかし、森でなかったことはない。
森について、何も知らない。
しかし、森のすべては、予め知らされている。
森を、思いだすことは、できない。
忘れることも、できない。
言葉は、森。
しかし、森は言葉ではない。
今、森を燃やしている。
しかし、森に属し、棲む、
私は、森の生物である。
戻る
編
削
Point
(5)