詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
也訳)をぱらぱらとめくって、お目当ての箇所を探した。見つかったので、引用しておく。278─282ページにある、「親愛なるお父さん、お母さん」という言葉からはじまる書簡である。引用は手紙の終わりのほうにある言葉である。

 今朝、イーディス・シットウェルから手紙を受け取りましたが、彼女は僕たちがここに来た責任の大半は彼女にあるのです。彼女は、折に触れて作家に動き回るためのお金を与える、著作家協会旅行委員会の委員長なのですよ。お金といえば、銀行は一ポンドを九〇〇リラに換金してくれます。周知の事実ですが、自由市場では一八〇〇リラです。この地域──実のところ、北部のほとんどだと僕は思っているのですが─
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