詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
るのかは、わからない。どなたかが神戸女子大学の図書館に寄贈なさったみたいで、そこで閲覧できるみたい。
二〇一五年五月六日 「撥条。」
朝
玄関を出たところで
私の足が止まった。
道の向こうから
蝶々が
いち葉
流れてくる。
手を差し伸べると
蝶々は
私の手のひらの上に
接吻してくれた。
植木鉢の縁に
白い小さな花が
草の花が咲いていた。
妻が出てきた。
あらあらあら
と言いながら
私の足元に
しゃがみこむと
踝(くるぶし)に
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