詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
「なにかを損なう」
なにかを判断したり決定したりすることは、なにかを損なうことだ。しかし、なにも判断せず、なにも決定したりしないこともまた、なにかを損なうことである。そうであるならば、判断し、決定し、なにかを損なうほうをぼくは選ぶ。これもまた、なにかを損なう1つの判断であり、1つの決定であるけれど。
二〇一五年五月四日 「ミシリ」
冷蔵庫からミシリという音が聞こえた。水が氷になる瞬間に遭遇したのだ。
二〇一五年五月五日 「ふわおちよおれしあ」
マクドナルドにアイス・コーヒーを飲みに出たら、交差点で、ブッブーとクラクションの音がするので見たら、車
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