詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日/田中宏輔
イト・フライヤー』のつづきを読んでいた。レトリックで学ぶべきところはあったのだけれど、日本語の文章にはなじみのないものだった。ぼくの文学経験で、これまでに2度、出合っただけのものだった。「ミリアムは猫(ねこ)と遊びながら、自分の考えにふけった。猫も想像力も、今夜はおとなしくしていた。」(クライヴ・パーカー『魔物の棲(す)む路(みち)』酒井昭伸訳)酒井昭伸さんの訳は好きな部類なんだけど、「猫」にルビ振るのは勘弁してほしいなと思った。
二〇一五年四月十日 「衣紋掛け」
服に衣紋掛けがあるんだったら、こころにも衣紋掛けがあってもいいのになって、ふと思った。
二〇一五
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