気まぐれな時計のリズムはメトロノームでとらえられるのか?/ホロウ・シカエルボク
性急で乱雑な、まるで最期の煌めきのようなビートに群がる羽虫のような俺の心音、歯をカチカチ鳴らして、食らいつく場所を探している、硬すぎるか、速すぎるか、それとも不味すぎるかーおや、顎が疲れてきたみたいだな、欠片ひとつも飲み込めず、哀れなものだ…目を閉じているとそんなヴィジョンがとめどなく流れ出してくる、それはただの妄想なのか、それとも示唆か、それとも思い出話なのか?どのみち俺はこれから眠る以外にすることはないのだ、連続性ー連続性だって信じているけど、本当は途切れ途切れだ、生身を削るような作業を四六時中続けるわけにはいかない、飯を食うために日銭を稼ぎながら、やれやれと椅子にもたれかかる時間を使っている
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