針葉樹街/
asagohan
針葉樹は
規則正しく並んでた。
土に触れると
乾いた音たてた。
スコップは
あっけなくささった。
根が通っていない
がらんどうの土の暗闇へ
かつて
繁茂していたものは
下から取り替えられて
入れ替わった無機質な生命力は
都会のビルのように
見下ろした。
深い影から
スコップは掘り当てた。
目を瞑ろうとした甲虫が
紫色に
煌めくのを。
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