冬/かば
 
甘い言葉や文字は嘘つきだと諦観めいてた若い頃

今ではそんな強がりも言えなくなって


乾いた空気の中

カチコチと時計の音が響いてる



何にも思うことなくて


ああ


誰か甘い言葉でも囁いてくれまいか、と思うのだけど

そんなことはなくて





だんだんとリズムを刻む時計の音さえ愛しくなってきた


アルコールのせいだろうか



生きてることを愛おしく思うよ

戻る   Point(2)