あるはずの体/
はるな
あるはずの体を
あるはずの記憶で
建てなおす
あちこちにゆがんだ寂しさをもち
ありふれた色に懐かしさを覚える
吹けば飛ぶような思想を傘にして
いったいこの灰色の粘土細工の
どこに芯があったのか
はっとするほど重みのない
けれどもたしかに触れることのできる
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