Want it./ホロウ・シカエルボク
もわからなかった、でもそれは確かに欲望で間違いなかった、俺は銃に持ち替えた、考え事をしながら動くにはそいつのほうが都合がよかった、標的はまだ山ほど残っていた、手当たり次第に引き金を引いた、つまんねえな、そんな言葉が不意に口を突いて出た、一瞬、ほんの一瞬だが、自分のこめかみに銃口を当てたくなった、死にぞこないが蠢いていた、俺は武器を持つことを止めて、そいつらの頭を片っ端から踏みつぶしていった、ブーツは血の海でも滑ることがなかった、俺はその場に胡坐をかき、この後はなにがしたい?とでかい声で誰かに話しかけた、返答を期待したわけじゃなかった、廊下はまだ果てしなく続いていて、死ぬのを待つだけの連中がもがきながらこちらを見ているだけだった。
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