まるでうまくいかない/ホロウ・シカエルボク
 

凍てついた亡骸を引き摺りながら、悲鳴のこだまする方へと
不安定な足元を均しつけるように歩いた
空はシュールレアリスムのような曇りで
雨の代わりに百足でも降り注ぎそうな趣だった
亡骸はもうすっかり擦り減ってしまっていて、誰だかわからなくなっていて
あまり綺麗ではない足跡が背後にずっと刻まれていた
「すべてを忘れながら死んだ」と
そいつについて確かそう聞かされたという記憶があった
外気温についてはあまりよくわからなかった、けれど
おそらくは身を切るような寒さというやつで世界は覆われているだろう
目に映るものに温度をつけるとしたらそれしかなかった
アマポーラ、のメロディがなぜか
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