透明人間/
ミナト 螢
すれ違う道で
肩さえ触れずに尖ったら
自分の手を当てて
はみ出しそうな午後
振り返るタイミングも
追い駆ける勇気も
仰いだ空の中へ
吸い込まれてゆく
言いたいことが
あったような気がしたのに
流れても流されても
無傷な体じゃ
見つけて貰えず
多分もう
消えてしまったから
街が静かだと思って
車に轢かれようとする
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