詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
文法上は、擬人法的な扱われ方で
語意上は、擬人法的に訳したらダメってことね。
堀口大學さんの訳文って
たしか
「わたしとは真実を告げる偽りである。」
って訳していたような記憶があります。
いま
ネットで調べました。
ぼくという人間は虚偽(いつわり)だ、
真実を告げる虚偽(いつわり)だ。 (堀口大学訳)
たしかに、こうでしたね。
しかし、つぎのように訳しておられる方もおられますね。
「ぼくはつねに真実を語る嘘つきだ。」
ジャン・コクトー「赤い包み」末尾 1927 『オペラ』収録
ううううん。
「嘘つき」と
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