詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
けど、ゲイになるほどの勇気はないとき、せめてできそうなことといえば、芸術家になることだ。これは冗談ではない。
(ヴォネガット『国のない男』3、金原瑞人訳)
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そいえば、ヴォネガットも専攻は化学だったらしい。ぼくと同じで、親近感が増すけど、ヴォネガットのような経験もやさしさや思いやりも、ぼくにはないので、人間はぜんぜん違う。ヴォネガットは、こうも書く。
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詩を書く。どんなに下手でもかまわない。ただ、できる限りよいものをと心がけること。
(ヴォネガット『国のない男』3、金原瑞人訳)
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「できるだけよいものをと心がけること。」これは、もちろん
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