詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
ど
その花は肛門をひろげたりすぼめたりしていた。
二〇一四年十一月四日 「シャロンの花」
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの『輝くもの天より堕ち』を読み終わった。ぼくが満点をつけるSFは10冊から20冊のあいだの数だと思う。けっして少ない数ではないが、これは満点以上のものだった。本文517ページに、「シャロン」あるいは「シャローン」は「そこらの女」という意味の俗語だという割注があったのだけれど、ぼくの辞書やネットで調べても、そういう意味がなかったが、シャロンというのはイスラエル西部の肥沃な場所で、もとは「森」の意とあった。俗語に詳しくないし、ネイティヴでもないので、「シャロ
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