かまきり/もちはる
土鍋の蓋に
細い褐色
目をこらすと
かまきり
眠っているのか
脚を折りたたんだまま
じっと動かない
夕暮れに
畑から採った野菜に
紛れ込んだのか
なかまから逸れたのか
師走も半ば
小さないのちは
生き延びるつもりか
覚悟をしているのか
果てるのを
草むらからの
素泊まりのお客さま
ゆうべは固いベッドで
ごゆっくり眠れましたか
手にのせ
植え込みにそっと
一対の羽があっても
もう 飛ぶこともできない
さようならも言わずに
みどりの中へ
まっすぐに
消えた
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