詩の日めくり 二〇一四年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
れど
詩集は
二段組で
内容は
農奴というのかな
百姓の苦しさと
百姓のずるさと
貴族の虚栄と
貴族の没落の予感みたいなこととか
宗教的なところとかばっかで
退屈な詩集だなあって思ってしまって
さっき読んだとこ
どこにあるかな
あれは、よかったなって思って
ページをペラペラめくって
さがした。
あると思ってた
どこかのページの左下の段の左側を見ていった。
さがしたら
あると思ったんだけど
それがなくって
二回
ペラペラしたんだけど
あると思ってた
どこかのページの左下の段の左側にはなくって
記憶違い
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