詩の日めくり 二〇一四年八月一日─三十一日/田中宏輔
 
二〇一四年八月一日 「蜜の流れる青年たち」

 屋敷のなかを蜜の流れる青年たちが立っていて、ぼくが通ると笑いかけてくる。頭のうえから蜜がしたたっていて、手に持ったガラスの器に蜜がたまっていて、ぼくがその蜜を舐めるとよろこぶ。どうやら、弟はぼくを愛しているらしい。白い猫と黒い猫が追いかけっこ。屋敷には、ぼくの本も大量に運ばれていて、弟が運ばせていた。弟は、寝室で横たわっているぼくの耳にキスをして部屋を出て行った。白い猫と黒い猫たちが後方に走り去っていった。と思った瞬間、その姿は消えていて、気がつくと、また前方からこちらに向かって、くんずほぐれつ白い猫と黒い猫たちが走り寄ってきて、目のまえで踊るよ
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