まく/はるな
 

くもりの朝
まくをやぶって
私らは起きあがる

このあたりじゃ今日もビルが倒され蜜が降ってくる
クリームソーダくまの夢
名前をつけてやるから
こっちへおいで

むかしの歌ばかりきいてるうちに
時代を忘れてしまった
赤ちゃんみたいな目のままで
毛糸のほつれたセーターでさ

昔のことを思い出すたびに死にたくなるのは当然じゃん
湿度のたかい記憶
かたちをもった音
やわらかく頑固な
まくをやぶって
私らは起きあがる


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