Happy Birth 4 stations/komasen333
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最後は「し」という駅だった。広大なホームには、葬儀の座席が並んでいた。前方の遥か彼方から、数えきれない煙が、淡々と上昇していくのが見えた。「火葬場の煙?」と思った瞬間、場面は一気に切り換わり、無数のお墓が現れた。伝統的な和風の縦型、西洋風の横型など、様々なお墓が整然と地平線まで埋め尽くすかのように並んでいる。
それまで控えめに後ろについてきていた老紳士が、すぐ隣に来てゆっくりと話し始めた。
「ここまでの4つの駅を通じて、大まかな流れをご紹介しました。これらは、『人生』というもののごく一部です」。
私は静かに頷いた。
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