草原/
はるな
とにかく名前ばかり産んでいるあの子たちが
赤い一張羅を着てでていくのを見たから
星空、火打ち石、波打ち際もざわついて
やっと世界がはじまるのだ、とうわさした
結局、うまれたのは
ありふれた文字のならび
あるいはひとつの物語
まなざし、たった一秒きりかもしれない炎
星空、火打ち石、波打ち際
川の流れ、点滅、黄色い花
羊たち、チョコチップビスケット、排気ガス、
ガラスの置物、写真たて、花のつぼみ、銅像、
虹色の布、草原、
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