マーク/どん底
 
あたしじゃないから
あたしはもう消えているけれど
あたしはあたしとして消えてはいないから
だから今日本当に消えよう

重く重くぶれた日の或るひかり
くもの巣が掛かった窓辺には
あたしの嫌いなでもどこか望んでいたひかり
マークはそのひかりを啄ばんでくれる

ねえ、マーク
あたし消えるよ
せめてあなたの肥やしとして
だから示してほしい
あなたがあたしを吸いあげて
あなたがあたしを掬いあげる
その道しるべを
今度はもっとたくさんの
花びらの生えた風車の花となって

ねえ、マーク
はやく空たかく飛ぼうよ
あたしが大好きなあのひかりのもとへ
たとえその日が重く重くぶれていようとも
ああ、もう腐りはしないよ
今はあなたが誰よりも
あたしのそばにいるのだから
たしかなあたしがここにいるのだから
あなたにはあたしが要るのだから
あたしが要るのだから
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