歩く/風の化身
 
つまらないから涙を流している

草笛を吹いては故郷を思う

通い慣れた道を歩いては
いにしえを回顧する

すでに
涙も夢も涸れはて

夜道の先に小さく光るのは
絶望なのか希望なのか

予見する力も有るはずもなく

じっとしていると
縮こまっていると
虚しさが震え出す

だから

私は歩く

ひたすら歩く

悲しみを踏んづけて歩く

寂しさを放り投げて歩く

歩く事だけが唯一の安らぎだ

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