冬景色/ミナト 螢
 
そっと吐いた息の白さが
言葉の重さを含む前は
マフラーみたいに触れる
とても自由で
だからこそ風に乗るのだ
凸凹の街を壊しながら
尻尾があったとしても
誰かの胸に飛び込むのは怖い
電流が走るような
寒気に襲われるような
魔法の始まり方を知らなくて
きっと震えているだけなんだ
イヤフォンに絡み付くコードが
解けない冬の朝
心が氷を滑ったから
いつもとは違う曲を聴きたい
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