淋しさ/ベンジャミン
孤独は受け皿ですから
こぼれた何かを受け止めるのにひっしです
こんな自分でも
在る
ということに満たされている
ひとりぼっちの
ぼっちという響きが好きなように
社会の残酷さを嘆くとき
現実の過酷さに浸るとき
朽ちた感情は蓄積します
残念、無念
こんなにもたくさん
抱えきれないという幸せ
いつ死んでもかまわないと
言う人を知っています
その言葉の意味が分かります
酒を飲んで
気化したアルコールを吐く
味わった苦しみでさえ
酒のつまみでしかありません
消えてしまいそうな
危うさを漂わせるのは邪悪でしょうが
肩を寄せ合ったとき
伝わってゆく自分の分身を
眺
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