刻々と/
もちはる
土間に転がる
わたしはじゃが芋
眠っているようにも
死んでいるようにも見えても
頃合いを待っている
話し声が通り過ぎていく
ある朝
蓄えた力で
にょっきっと
芽を出す
やがて
更に すくっと立つ
伸びるたび
遠くが見えて
風がひんやりなでる
しわしわでも
忘れられていても
望まれていなくても
あるがままの自分で
生きている限り
毒をもって
しぶとく
刻々と
足音が通り過ぎていく
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