伐採/山人
八月中旬から十月初旬まで、延べ十二日間の登山道や古道整備に出向き、そこそこの賃金を得た。夜明け前にヘッドランプを照らし、山道に分け入る時の締め付けられるような嫌な感じを幾度か重ね、ようやく解放された。さらに作業中は脈抜けの不快を感じながらの作業であり、身体の異常に怯えながらの作業であった。
一〇月四日、最後の作業箇所である守門岳大池登山道除草を終えたのだが、その感慨はあまりなかった。高揚する気分ではなく、むしろ平坦な安堵感とでも言おうか。一〇〇パーセントの健康ではないにもかかわらず、よくやれたものだという自分の体への感謝である。
一〇月十二日から、杉の木の樹齢四〜五〇年物の切り捨て間
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