キャベツ畑のヨット/
ベンジャミン
キャベツ畑の真ん中で
僕らまるまっていた
傷つきやすいいろいろを
幾重にもくるんでいた
いたずらな風にあおられて
隠していた顔をのぞかせると
そこには海が広がっていた
一歩も動けずにいたのに
海はゆっくりと
僕らを運んでいるようだった
勇気を出して
葉っぱを一枚風にたてれば
僕らまるで
沈まないヨットだった
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