みちしおどき/あらい
 
と空腹の時を今かと こさえている。柔らの風に生え揃いはじめた芒の影がぼおと浮いては涼むものたち、縁台にていまだ残香にあり。

 どれもあなたという空の魅せるかおを覗かせ、今も鼻につく 焚かれてもいないのに 朦々とはばたきを催すような 心地にさせて、あゝ 昏れますように。

 夏の終わりのこと あれは何事にもとらわれることのなく、清々しく晴れやかに在る、落葉と地る、あわれ叢る。

 幻を魅せている、開く事の無い眦が、点した緋雨の、見ず知らずの言ノ葉と 祈る。
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