ベイビーガール/あらい
かりの
携帯電話に ぷるぷるしている 粘土質の暁光と血と
卵黄では、ない。なんて!
頬を膨らまして 割れちゃったオムレツと いっしょ とんでいった、
なんで!
昨日眠れない夜が ねぼけたペンシルで 白鷺と書き間違えて
宵の鴉を連れ出して見せた TVの裏番組に 明日の私たちが
吸い尽くしているのでしょうか
みんな知ってるタブーをそっと瞑り
つま先と共に外した心臓が靴下の奥で眠る
淀んだ空気に触れて震えていた 私の乳房はツンとして
それでも、 溜息をこぼせるほどここは広かった
このまま 眠りつづけて王子様と出会いたい
死ぬことを選び取りたいが
結局 明日は おやすみなさいな
おひとりさま ディナー確定
なので 薄らぐ風景を切りよるよう
腐海の底へ 命を抱くよう 祈りまして
小さな希望をワイングラスに灯して 口付けをした
千秋楽まであと数秒
いくとせとうわのそらに きょとんとどきんと、私。
kawaii なんて、嘘でもいいから、なにがほしいの
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