またしても秋/道草次郎
 
なすび}

死人花(しびとばな)群生と聴き箸を取る

警笛にゆれて千屈菜(みそはぎ)停るまで

空という秋の寡黙な懐手(ふところで)

秋猫の力士の様な肉の附き

馬肥えてショッピングモール橋の下

小鳥来る庭の花木の二三本

団栗(どんぐり)の流れ様(さま)みる夢の河岸(かし)

漁(すなど)れば秋草混じる侘しさか

七日目の友禅菊のような恋

薄原(すすきばら)一望をなす空の下

桃の実とゆたかな夜の読書灯


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