真宵蛾/あらい
の彼方へ みちてはひいて
泥の河でそっと てばなしたい
誰かを諭すものも 傷を愛でるものも すきはすき
どれかひとりだけでは それだけだと読み聞かせる
イカれた頭をすげかえて
新たな化粧を施して
螺子の抜けた孔を填めて、
眠れない夜に華奢な躰をおとして。
ねえ、誰かの思いにしずめて
これは理屈じゃなくて意味もなくて ただ感情が動いた結果。
そう、微動だにしない眠り姫の透明の爪を剥がし
このみかたちを誂えながら
私を棺にかえしてください
なんか好い。ただそれだけの恋患いみたいなもの
なんだかよくわからないままに
逃げないよう羽を毟り安直な囀りを揺籃におさめて
朽ち果てても信じている
太陽も月もあなたを覗きこみますと
また私の分身が、勝手に羽ばたいてゆくものです
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