詩を書くにはあまりにリアリストだった/えこ
詩を書くにはあまりにリアリストだった
この世を憂うなら
朝7時半の勤労前
誰かの仕事に文句を言ってた
知らない誰かを恨むなら
あきらめるんだ
損得勘定の感情で
切って捨てた知らない誰か
失恋をした日の夜は
ノスタルジックの風に靡かれても
まあ 明日死ぬわけじゃないし
例え今 死にたくても 死なないし
胸を打つ曲も
流行りの世間の人様の声
欲しいあれこれも
なくても死なない嗜好品
酒も タバコも セックスも
刹那主義の常套句
それでもリアリスト それよりも
ないと死ぬ金や 環境や 体裁に
なんだか思考が傾向しちゃってさ
嗚呼 あの詩を理解した頃の涙が
馬鹿馬鹿しい
この人生が吐いて捨てたすべてが
素晴らしい
死なない内の 死にたい なんて
嗚呼 詩を書くにはあまりにも
贅沢だった
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