フラグメンツ カタログNo.211〜240/AB(なかほど)
の方が
先に夕陽になって消えた。
233
i 何も知らない僕から
君へ
しごく当然の景色を前にして i
234
忘れられないということも
全て
仄明な化石になってゆく
235
つまりこんにちはかばいばいだ
桜咲くな
まだ散るな
236
もう会えない君へ、
山 白く 輝いて
まぶしいよ。
237
忘れそびれた 五時
眺めそびれた 空は
五時そびれた 五時
238
唇は乾いている
それは四月六日
信号は点滅している
239
君のように
静かに笑えたらいい
ありがとうって
240
指先の全ての方向から
草木の匂いがして
やがてそれぞれの車線に流れていった
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