オラトリオ暗渠/あらい
瞼の裏の薊の咎といつまでも追いかけっこする
流されたリボンの行方を探す道すがらの
どくだみを踏みつけては馨る、脳の芯がひたひたに擽るもの
甚振(いたぶ)られる頭上の笑みにすら透過光が酔ってふらふら
浅縹に遷る空蝉と向日葵を掬いたいので
冷たい夏の艶首を水槽の柩に侵している
濡れ羽色の簾が狐面を隠しながら恥じらいながら
腐りかけた花環を指先で覆う、目先の常々が肌を指す
誰かが落した片方だけの足首から先が泳いでいた
凍り付いたカンカン照りのおひ様の気紛れによって
君はこれからも閉じ込められ続けるのだろう
選別された雑草唄の忌み子の名をひけらかして戦(そよ)いだ
すみっこに転がる
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